こんにちは,ひなたパパです。
1995年,民主党が政権を握っているときに,円は1ドル80円を切って,超円高の時代を迎えました。
この時代は,多くの製造拠点が日本にあったため,輸出頼みの日本の大企業は大打撃を受けモノが売れずに大苦戦をしました。
円高の場合,輸出先では輸出品が割高になります。
つまり,当時は外国の消費者からすると日本製品は高級品であったのです。(逆に円安だと,外国では割安になり,モノが売れやすくなる)
このため,輸出をメインとする国は自国の通貨安を誘導するという手段を講じ,経済成長を図るといったことが歴史的に繰り返されてきました。
特に,中国は他国の批判も気にせず,不正な為替介入を続けては,元安誘導を繰り返してきました。
中国はご存知の通り,世界の工場と言われるくらい,多くのモノを輸出しています。
多くのモノを作っても,それが高ければ売れないのですから,元を安くし他国より有利にする必要があるためです。
当時,これを問題視した米国は中国に対し批判を繰り返していました。
しかし,オバマ政権は,中国経済の成長が米国経済の成長にも必要と感じていたため口先介入だけに留まり,結果的に中国は思うがままに為替介入したのです。
中国が短期間で急成長した要因として,この元安の効果は非常に大きかったものとされています。
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日本も同様に円安を誘導し,1ドル= 79.75円をつけた後,約3年後の1998年8月には1ドル=147.66円と大幅な円安となりました。
その後,リーマンショックなどが起きて円高トレンドが続く中,2011年3月11日に発生した東日本大震災による影響もあり,同年10月には1ドル=75円台まで円高が進みました。
2012年12月に第2次安倍政権が発足したことと,2013年4月に日銀長官に黒田氏が就任したことで,日本も大規模な量的金融緩和を開始し円安ドル高トレンドに転換させました。(アベノミクスと黒田バズーカー)
その結果,バブル期を超える過去最高益を達成する企業が相次ぎ,日経平均株価も24,000円台まで急回復したのです。
このように,日本では円安になれば株価が上昇,企業収益が上向きになるといった経験則から「円安大歓迎」となっているのです。
ところが,日本の場合は他国と異なり資源のない国ですから,行き過ぎた円安は経済を崩壊させることになります。(100円から120円が適正と言われている)
つまり,日本の企業は輸出してモノを売る前に,製造のために必要な資源を調達する必要があるのです。
日本は資源がほとんど無い国なのですから,大半の資源は輸入に頼っています。
結局のところ,過度な円安は,調達コストが大幅に上がるので,その価格は商品価格に転嫁させる必要があるため,いくら円安になっても結果的に割高となりモノが売れなくなるのです。
そのため,「円安大歓迎」と言われる一方,「円高であるべき」との声も最近多く聞かれるのです。
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では,長期的に円高になるのか円安になるのかというと,多くの有識者は超円安を予測しています。
なぜならば,通貨価値というのは国力を反映するからです。
少子高齢化,人口減少が見込まれる日本は国力が衰退し,それに合わせて円の価値も落ちると考えるのが妥当です。
今現在,有事の円買いと言われるのは,日本が他国へ借金していない健全な財務体質だと評価されているためです。(日本政府は多くの借金をしているが,日本国民に対してであり,他国への借金は少ないため,安全資産と言われている)
ですが,国力が衰退すれば,日本国民は貧乏となり,政府は国民から借金をすることもできず,財政破綻まっしぐらです。
財政破綻しないにしろ,ジリ貧の状態が永遠に続く未来しか今は見えません。
日本の国力が衰退し,財政再建も危ういと評価される時代は高い確率で将来来ることが予想され,そのときは,超円安となります。
適度な円安は経済を復活させる起爆剤になりますが,行き過ぎた円安は経済をさらに悪化させるだけであり,20年後,30年後を見据えると,とても円資産だけ保有するのは危ういと言わざるを得ません。
少しずつでも,ドル資産を保有し,万が一のリスクに備えることが大切です。