こんにちは,ひなたパパです。
RIZAPが超絶赤字予想となり,経営再建が疑問視される中,未だにRIZAP株の人気が衰えません。
NISAの週間買付けランキングは,数ある銘柄の中で「堂々の6位」(SBI証券)です。
再度,テンバーガー(株価10倍)を夢見て,利益分まるまる儲けようと,個人投資家が群がっていることが窺えます。
NISAは,株式の売却益と配当益が非課税という制度で,長期投資を促すために考えられた金融庁の肝いりで始まった制度です。
各ネット証券では,個人投資家のNISAの買付けランキングを紹介しており,12月第一週のランキングは下図の通りです。
高配当銘柄が並ぶ中,将来性が不安視されるRIZAPが堂々のランクインです。
(引用:SBI証券NISA買付けランキング)
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RIZAPといえば,芸能人を起用したダイエット効果のプロモーションにより,一躍話題となりました。
矢継ぎ早に経営不振の企業を買収し,収益を拡大させてきたRIZAPですが,2019年3月期の連結最終損益は70億円の赤字予想で売りが殺到しました。
159億円の黒字予想から一転して大幅な赤字です。
そのため,一時1,500円を超えていた株価も,200円台まで叩き売られました。
ですが個人投資家は,一時的とはいえ1,500円まで値上がりした株なので,200円台の大安売りになっている!と錯覚して「いずれ元の株価に戻るのではないか?」と淡い夢を見て買っているのです。
(下げ止まる気配が見られないチャート)
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RIZAPは急激に業績を悪化させたわけではありません。
もともと稼げていたわけではなく,会計処理上のカラクリで水増しされていただけなのです。
そのカラクリとは,営業利益の6割が「負ののれん」であったことです。
「負ののれん」とは,買収額が買収先の純資産を下回った場合に計上するもので,その差額は営業利益に一括計上されます。
経営不振の赤字企業を中心に買収してきたRIZAPは,この一時的な会計上の利益で営業利益を押し上げていただけに過ぎないのです。
同社は,今後M&Aを凍結する方針を打ち出しており,RIZAPの利益に大きく貢献してきた会計処理のカラクリは今後使えなくなります。(100億を超える利益が押し下げられる)
つまり,実際に稼げる経営に立て直さなければ,赤字垂れ流しのグループ企業が足をひっぱり,業績が回復するといったことはないのです。
また,RIZAPグループ間で相乗効果が見込めない事業は,撤退や売却を検討するとしています。
これもまた,赤字垂れ流しの企業を同社から買取ってくれる企業が存在することは考え難く,厳しい状況です。
赤字企業を買収することは,相乗効果が期待できなければ負の遺産を抱え込むだけです。
それにも係わらず,手当たり次第に企業買収を実行してきたツケは,今後,想像以上の問題となるでしょう。
今現在もNISAでRIZAPが人気なのは,株価だけをみて,一攫千金狙いで飛びついている個人投資家が少なからずいるからではないでしょうか。
RIZAPについてよく調べもせず,会計処理のカラクリで利益をあげていたことを知らず,「将来株価復活!」「利益も丸々儲け!」とテンションが上がっているのでしょう。
これでは,もはや投資とはいえず,ギャンブルに近いものといえます。
たとえ,この勝負に勝ったとしても,その味を覚えてしまうと,「投資戦略は一攫千金」といったギャンブル依存症的な思考に陥ってしまうかもしれません。
そうなれば,いつ一文無しになるかも分からない,危うい投資生活となってしまうでしょう。
少なからずドキッとした読者様,どうぞご注意を・・・。