こんにちは,ひなたパパです。
安定的な経済成長(2017年は7%超)を続けているトルコ。
労働人口は総人口の75%を占めており,魅力的な人口構造を持つ国です。
経済成長率,魅力的な人口構造から,今後も経済成長が見込まれるとされており,トルコの通貨(トルコリラ)は,高金利通貨として個人投資家に人気があります。
証券会社もトルコリラの販売に力を注ぎ,トルコリラを保有する日本人は多くいます。
ところが,トルコ・クーデター未遂事件に関わったとされる米国人牧師の拘束問題を巡り,対米関係が悪化し,これをきっかけにトルコリラは急落しました。
1年前は1トルコリラ30円を越えていましたが,今現在は17円前後となっています。
8月10日には1トルコリラ15円台と最安値をつけ,現在はやや反発している状況です。
しかし,個人投資家の中では,トルコリラは最安値から浮上するのではないか?といった意見も出ており,現在でも注目度の高い通貨といえるでしょう。
トルコリラのゼロクーポン債は「複利」であるにも係わらず,なんと20%を超えています。
単純に今とトルコリラの価値が変わらなければ,10年後には実に元本の6倍以上の価値になる計算です。
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トルコリラ下落の根本原因は,6月の大統領選および総選挙のダブル選挙で勝利したエルドアン大統領にあるといわれます。
エルドアン大統領が譲歩して,米国に対して妥協するなど対策を講じなければならない状況であるにも係わらず,一歩も譲る気配はありません。
通貨防衛のためにはまず利上げをするのが定石です。
しかし,エルドアン大統領は利上げを否定し,それどころかトルコ中央銀行に利上げをしないよう圧力をかけているとみられています。
これは,中央銀行の独立性がないことを意味しており,通貨防衛策が講じられないことを示しています。
トルコの物価上昇率は16%台とインフレ率は高く,このまま,通貨安が続けば輸入品の価格が上昇し,さらに物価上昇率は高くなります。
また,外貨建て債務の負担が重くなり,外貨準備高の乏しいトルコは,資金繰りに窮する事態に陥る可能性も高いです。
このような場合,IMF(国際通貨基金)に支援を求めることも選択肢のひとつとなりますが,これもエルドアン大統領は否定しています。
私は,このままエルドアン大統領が適切な対策を取らずにいれば,トルコリラは最安値を更新し続けると考えています。
複利20%を超えるトルコリラ。
最安値圏で逆張り大好きな日本人は,リスクを取りたい衝動に駆られているでしょう。
ですが,インフレ加速,トルコリラの下落が続く状況がはっきりと分かっている今,あえてリスクを取る必要があるのか,私は疑問に感じます。