こんにちは,ひなたパパです。
米中貿易戦争で中国経済に暗雲が立ち込め始めています。
すでに中国経済に影響が出始めており,「中国に勝ち目は無い」との市場関係者の声もあがっています。
この戦いが長引くと,米国も無傷では済みませんが,中国のみならず日本も大きな痛手を負うことになります。
過小評価されがちな貿易戦争の影響ですが,各国の溝を深め,経済問題から政治問題など,あらゆることに発展する可能性は大いに考えられます。
そのような中,米中による貿易協議が事務レベルで8月22日に米国で開催されます。
しかし,両国の主張は依然として隔たりが大きく,摩擦解消につながる可能性は極めて低いといえるでしょう。
3月に始まった米中貿易戦争は,未だ解決の糸口が見えていない状況です。
このような状況下で,中国国内でも心配の声が出始めています。
- 中国に勝ち目はない。
- 報復措置により事態を悪化させた失敗を認めるべき。
- 事態を早急に収束させなければ,中国経済に大きなダメージを与える。
中国国内でも,こういった状況が長引くほど取り返しがつかなくなる,と懸念する人が出てきているのです。
スポンサーリンク
事の始まりは3月23日,米国によって,鉄鋼およびアルミ製品への追加関税措置が発動されたことからです。
2期目の習近平政権が発足した直後だけあって,中国の反応は敏感でした。
中国商務省は,128品目の米国製品に対し約30億ドルの追加関税をかける報復措置の計画を発表し,問題は泥沼化していきました。
そして,中国の官製メディアは「中国はいかなる戦争も恐れていない」と強気な姿勢を崩していません。
ですが,中国は米国への輸出に依存しており,米国との貿易戦争は,中国経済にとって圧倒的不利なものです。
中国の市場もそのようことは理解しており,株式市場は敏感に反応しています。
追加関税措置が発令される3月22日の上海総合指数は3,263ポイントでした。
それからは右肩下がりで,8月17日には2,681ポイントまで下落です。
約18%も下げていますが,未だ,下げ止まる傾向は見えていないのです。
そして,人民元の為替相場も対ドルで10%近く急落しました。
米国に依存する中国経済は,為替相場が下落すると,輸入コストが大幅に増加し,経済成長率を押し下げる要因となります。
中国の成長は極端なほどドル依存なのです。
中国の経済拠点である広東省や上海周辺では,米国からの発注が激減しています。
そのため,生産停止に追い込まれる工場も出ているほどです。
また,中国は,米国産大豆に高い関税を課しましたが,中国国内の家畜飼料は米国産大豆に依存しています。
つまり,飼料のコストが増大したことが影響し,7月以降,北京など都市部の豚肉の価格が高騰し,市民生活にも大きな影響が出始めているのです。
中国の「産業界」は,ご存知の通り,世界でもダントツの借金依存経営です。
国内外からの借金は昨年末で「20兆ドル」を超えるという,あり得ない事態です。
米中貿易戦争に伴って輸出機会が減れば,債務不履行が続出しかねない状況なのです。
高関税に伴う輸出競争力低下を相殺するための対策として,人民元切り下げがありますが,これは外貨債務負担を増やすことになり,金融危機を引き起こしかねません。
チャイナショックが再来するのか?
投資家は,そのようなリスクが顕在化することも視野に入れ,備えておく必要があるのではないでしょうか。